DJのための音楽理論 第1回「音について」

はい。という訳で本当に始まりました、DJのための音楽理論。第1回となる今回は全ての基本たる「音」についてのお話です。

 

音についてって言ったって、音は音でしょ。と思われるかもしれませんが、音にも色々あるのです。全ての基本と先ほど書きましたが、土台をしっかり固めなければ何かを積み上げようにも崩れてしまいますよね。ここをしっかり固めることで色々なことがスムースに理解できるはずです。

では、前置きはこのぐらいにして……今回はピアノを鳴らしながら読むとより理解しやすい内容なので、実際にお手元におありの方は是非引っ張り出して、お手元にない方はこちらのブラウザ上で動くピアノを触りながらどうぞ。

life.a.la9.jp

 

さて、この世界にあふれる全ての音は、実は3種類に分類することが出来ます。ラジオの時報の音や音叉の音などの、最も基本的で単純な振動による純音倍音(ある音を演奏した時に発生する、その音の整数倍の振動数の音。チャイムとか鳴らすと高い音が同時に鳴るじゃないですか)を含み、純音ほど単純ではないものの規則性のある振動で構成される楽音。物がぶつかる音や壊れる音などの、規則性を認められない振動による噪音(そうおん)。このうち、音楽において最もよく出てくるものが楽音です。ここに関してはまあ、そういう分類があるんだなー程度でいいです。

 

で、その楽音にも、3つの要素があります。それは「高さ」・「強さ」・「音質(音色)」。この3つで楽音は出来ているのです。これもまあなんとなーく、そうかもね。くらいの認識で大丈夫だと思うのですが、大事なのは、音には「高さがある」ということです(噪音のような例外こそあれ)。そしてその音の高さは、1オクターブを12個の高さで分割する(12等分された一つ一つの高さは”半音”違うと言われます)ことで12個あるものとして認識されています(この方法を十二平均律と呼びます。もう一つ音の高さを設定する方法として純正律というものもあるのですが、そっちの話は古典の領域になるので飛ばします。気になる人はググってね)。ここがおそらく今回の最大のポイントです。

 

ここで鍵盤の様子を見てみましょう。

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ブラウザピアノで言うとPCの「C」のキーに割り当てられているところ、これが本当に「C」、日本語で言うドの音です。そしてPCの「E」のキーに割り当てられているところは、1オクターブ上のCの音(ややこしいな)。このCのキーからEのキーの一つ手前までの音の数を数えてみましょう。ぴったり12個ですね。

鍵盤には見ての通り、白い鍵盤・白鍵と黒い鍵盤・黒鍵があるわけですが、7つの白鍵に割り当てられている音は、下からC(ド)・D(レ)・E(ミ)・F(ファ)・G(ソ)・A(ラ)・B(シ)、です。左から右に行くにつれて高くなるわけですね。まずは鍵盤を鳴らしたり自分で歌ったりしながら、音の名前と音の高さを覚えてみましょう。音楽理論の第一歩です。

(音の名前の表記ですが、ドレミの書き方になじみがあるという方のほうが多いとは思うのですがここではCDEF…の英語表記を主に使用していきたいと思います。DJソフトなどで見かけるのは圧倒的にこちらだからです) 

 

そして、上の方に見える5つの黒鍵ですが、よく見るとこれらは白鍵と白鍵の間に位置していることが分かります。そう、黒鍵は隣り合う白鍵の音の半音高い/低い音を割り当てられているのです。半音高い時には#(シャープ)、低い時には♭(フラット)という記号を用いて表されるのですが、例えば一番左の、Cのキーの隣にある黒鍵であれば、その音はC(ド)とD(レ)の中間に位置し、Cの音よりも半音高く、Dの音よりも半音低いことになります。つまりこの音はC#であり、同時にD♭であるわけです。ここまで大丈夫でしょうか……

続けます。つまり黒鍵の音の高さは、左からC#/D♭、D#/E♭、F#/G♭、G#/A♭、A#/B♭、となっています。これも、鍵盤を鳴らして・あるいは自分で歌って、どの音の高さがどの名前の音なのか、覚えてみましょう。それぞれ二つずつあるので先程よりも大変かもしれませんが、焦らずゆっくり覚えましょう。

 (ちなみに、以前わたしもこれらの音を覚えるのに苦戦したのですが、その時は「好きな曲に出てくる印象的な音」の中にどれかがないか探し、印象付けて覚えるというやり方でどうにか覚えることが出来ました。例えばHotel Moonsideの歌い出し「♪ねえ」がF#とか。結構おすすめです。探していく中で覚えるという部分もあるでしょうし……)

 

さて、じゃあE(ミ)とF(ファ)の間、B(シ)とC(ド)の間には黒鍵がないじゃないか!となった方。いらっしゃいましたら、良い視点をお持ちです。その通りで、これらの音の高さは半音しか違いません。なので黒鍵が存在せず、E#はFであり、F♭はEなのです。逆に言うと、CとDなどの2音の高さは半音2つ分違う訳ですね。なんでこういう面倒な分け方にしたのかは、、なんででしょうね。わたしにもなんとなく推測は出来ますが、今書いても混乱させるだけなのでやめます。

 

という訳で今回は音の話でした。音にはドレミファソラシドとそれぞれに#/♭を付けた変化形の計12個の高さが存在するということを認識し、まずはそれらの音を覚えること、これらが第一回の目標です。

次回、第二回は「音程について」。音と音との関係性のお話です。お楽しみに。

 

質問などありましたら何らかの形で連絡下さい。答えられれば答えます。それでは。