DJのための音楽理論 第2回「音程について」

皆様どうも。DJのための音楽理論、第2回は「音程」についてです。前回の「音について」はお楽しみ頂けましたでしょうか……お楽しみ頂くと言っても難しい部分もあるかもしれませんが、基本的に実践を重ねていくことで定着するので諦めずに耳を鍛えて行って下さい。きっと覚えられるので!という訳で今回もついて来て下さいね。

あ、今回も鍵盤や楽器を触りながらの方が理解しやすい内容かと思います。実際に持ってる方は是非引っ張り出して、お持ちでない方はこちらのブラウザピアノを触りながらどうぞ。

life.a.la9.jp

 

さて、「音程」とは一体何なのか。前回のラストに「音と音との関係性」と書きましたが、音程とは2つの音の間の高さの隔たりのことです。むしろ身長差みたいなものをイメージして頂くと解りやすいかもしれません。(ちなみに、音程という言葉を「音の高さ」という意味で使う人がそこそこ音楽やってる人でも何気に少なくないのですが、これは完全に誤用です。音の高さには「音高(ピッチ)」という名前が明確に存在するのでみんなはしっかり区別してね)

しかし、この高さの隔たりは、ただ高さが違うというだけではありません。身長差にしたって、3cm違うのと8cm違うのでは意味性がまるっきり異なりますよね?そう、のぞみぞ身長差は尊いということなのです(ハ???????)

 

……ごめんなさい、脱線しました。リズと青い鳥は最高。

 

話を戻しますと、身長差がそうであるように、2つの音の高さがどのぐらい違うかによって、そこには多様な意味が発生してきます。だから前回のラストに「関係性」と記したわけですね。これらを認識することによって、後に触れる和音(コード)や調(キー)といったお話によりスムースに入っていけるはずです。一つ一つ見ていきましょう。

 

まず、前回の「音について」でも解説した通り、ピアノの白鍵にはC・D・E・F・G・A・Bの7つの音がありました。で、1オクターブ上のCは8個目。

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 基本的に音程は、下の音から見て何個目のところに上の音があるかで決まります。書き方は「~度(n個目ならn度)」。今回は下のCから1オクターブ上のCまでを例に出して解説するので、最大の音程はいくつになるかというと、1オクターブ上のCは8個目なので8度ですね。さあ、よろしいでしょうか。。

 

そして、音程には大きく2つの種類があります。「完全系」「長短系」です。

「完全系」は1・4・5・8度、「長短系」は2・3・6・7度という風に分かれています。なぜこのような分離が存在するのかと言うと、完全系は各度数のパターンが一つ(完全n度と呼ばれます)しか存在しないのに対し、長短系はそれぞれの度数に長・短の2パターン(長n度・短n度)が存在するからです。「?????」となるかもしれませんが、今から全部見て行くので終わるころには「そういうことか!」となっているはずです!そういう分類があるんだな~……となんとなく理解しつつ、一応頭の片隅に入れておいて下さい。では、各音程の解説行きます。

 

■完全1度

下の音から見て上の音が1個目。つまり2つの音は同じ。それ以上でも以下でもありません。CとCです。以上!

 

■長/短2度

下の音から見て上の音が2個目。つまり上の音は下の音の一つ上。2度は長短系なので長2度と短2度の2種類が存在する訳ですが、その違いは半音いくつ分違うかです。長2度の場合は半音2つ、短2度の場合は半音1つ分違います。そのためCの長2度上の音はD、短2度上の音はD♭となります。

(ここで面倒なのは、Cの短2度上の音としてのD♭はC#ではありません。前回この2つの音は同じだと書きましたが、音程となると話は別です。C#の場合、Cから見ると「完全一度から#を用いて半音上げた音程」、これを「増1度」と呼ぶのです!面倒くさいね!!!!!……まあこんなの問題にして出すぐらいでしか見かけないので覚えなくとも大丈夫だと思いますが……)

実際に長/短2度の音程を鳴らしてみると、この時点ではまだ音がぶつかっているように感じられると思います。この2つの音の響きは後述する7度で分かりやすく登場するので、少し待っていてくださいね。

 

■長/短3度

下の音から見て上の音が3つ目。これも長短系なので長3度と短3度が存在しますが、今回は分かりやすく違いが感じ取れると思います。長3度は半音4つ分違うCとE、短3度は半音3つ分違うCとE♭です。

実際に鳴らしてみると、長3度からはどことなく明るい雰囲気、短3度からはどことなくもの悲しげな雰囲気を感じて頂けると思います。そう、長n度は明るく、短n度は暗いのです!これは次回のテーマである「調について」にも関わってきますが、音楽において「長」は明るく、「短」は暗いイメージを指しています。このことはとても重要なので2回太字にしました。このイメージの違いを是非覚えておいて下さい。

 

■完全4度

下の音から以下略、4つ目。完全系なのでCから見た場合Fしか存在しません。鳴らして確認してみてください。

 

■完全5度

下の音以下略、5つ目。これも完全系、Cから見た場合Gのみ。鳴らして確認してみましょう。

そして、ここでいったん上の鍵盤の画像に戻ってCとGとそのまた上のCを見てみて下さい。Gは確かに下のCから5つ目にありますが、Gから音が高い方のCを見てみると……?なんとこの2つの音が完全4度の関係にあることが分かります。同じようにFから音が高い方のCを見ると、こちらも完全5度にありますね。

つまり何が言いたいかというと、完全4度と完全5度の関係はレコードのように裏表になっているのです。さらに言うとこれ以降はすべてこれまで出てきた度数の裏です。だから何ってわけではないのですが……まあ、なんか面白いかなって。

 

■長/短6度

下の音以下略、6つ目。Cから見た場合長6度はA、短6度はA♭です。はい鳴らして確認。

先程書いたようにこの度数もこれまで出てきた度数の裏になっています。AからCを見ると半音3つ分、A♭からCを見ると半音4つ分なので、長6度の裏は短3度、短6度の裏は長3度となります。完全系の場合は裏も完全系であり変わらないのですが、長短系の場合は裏の長短が逆転します。その点のみ留意しておいて下さい。

 

■長/短7度

早いものであと2つ!下の音から見て上の音が7つ目、Cから見た場合長7度がB、短7度がB♭となります。

これは長/短2度の裏(短/長2度の裏と書いた方が正確でしょうかね)になっている訳ですが、実際に弾いてみると2度の時とは異なる響きを感じるかもしれません。それぞれにE(長)かE♭(短)を足すとより分かりやすいかも。ちょっと和音の内容の先取りになるのですが、これがセブンスコードです。なんとなくおしゃれな印象を感じるかもしれません。それはこの7度の音のおかげという訳です。

7度の音は、独特の浮遊感に大きく貢献する大事な音なのですね。

 

■完全8度

という訳でラスト、Cから見ると1オクターブ上のCとの音程が完全8度です。ここまでお疲れ様でした。これ以降も9度とか11度とか無限にあるのですが、基本的には下の音から見て上の音が何個目なのかで大丈夫なのでこのぐらいにしておきましょう。

 

さて、そんな感じで今回は「音程について」でした。音程のお話も前回の音についてと同様非常に大事で、今回それとなく言及したようにこれ以降の調や和音の話でもめちゃめちゃ重要になってくるポイントです。それぞれの音程の特徴と響き、しっかり押さえて下さいね。関係性は大事です。

という訳で次回はいよいよ「調」について!ここまでの知識をフル活用して挑んで参りましょう、それではまた!

 

あ、前回同様ご質問にはなるべくお答えしますので何らかの方法で投げてください。お待ちしております。