絶対わかる!CDDJ ~CDでのピッチ合わせにおけるCDJモードの活用~

……と、いきなり資格試験によくある参考書のようなタイトルが出てきて「???」となった方も少なくないのではないでしょうか。ご安心ください、情報商材は一切売りません!お久しぶりです、おわたにです。


さて、ここ数年のDJシーンで最も使用されるメディアは間違いなくUSBメモリ(またはSSD/HDD)になるのではないかと思います。というかわたしも殆どUSBです。rekordboxは本当にすごい。とはいえ、USBは読めるのに解析データがCDJに認識されないということ、稀にあったりします。稀にですよ。これはCDJに問題があるパターンとUSBに問題があるパターンの……という犯人捜しはこの際どうでもいいのです。問題は「次の曲をいかにスムースにつなぐことができるか」、それだけ。
この問題を解決してくれるソリューション、実はCDでのDJに答えがあったりします。ごく稀にCDJ-100Sというメチャクチャ古いCDJと手焼きしたCD-RでDJをすることが筆者にはあって、CDでのDJにはBPM表示もグリッドもクオンタイズも勿論SYNCも当たり前のように存在しません(いやある程度の機種にはBPM表示あるけど解析データほどあてにはならないし)。しかし適切な方法を押さえてそれに慣れることができれば、CDでスムースにDJをすることは不可能ではありません。というかokadada大先生なんかも昔は現場にCD持ち込んでたみたいだしね。

実際CDでDJすることができるようになると、先述のようなトラブル対処に強くなるほかにも選曲の瞬発力が上がったり(ピッチ合わせには当然USBの時よりも時間がかかるのでその分選曲を早めに済ませたり二手三手先まで見通す必要性が出てきます)、いきなりホイッと渡されたCDから選曲をする(実際にgekkoさんの家で遊んでて無茶振りされました)ことができるようになるなど、DJとしての基礎体力の強化にものすごく寄与してくれます。特にハウスやテクノはCDでやるハードルがほかのジャンルに比べて低いはずなので一度はやってみるといいと思いますよ。

 

前置きはこのぐらいにして、実際にCDでDJをするための適切な方法は何なのか。なのですが、本稿では選曲をしてから実際に繋ぎ始めるまでのいわゆるピッチ合わせと呼ばれる作業を「CUEを打つ」→「ピッチを合わせる」の2ステップに分け、解説を行っていきたいと思います。

というのも、実は筆者はCDでのDJで重要なのはピッチを合わせることだけではない。その前段階に当たるCUE打ちも同じぐらい重要なのではないか、と考えています。ピッチを合わせたり実際にかけていく際にもCDJではPLAYボタンを押すかCUEボタンを押しっぱなしにしてPLAYを押す、のどちらかをやると思いますが(HOT CUE派ってのも少なくなさそうですね)、ピッチが合っていたとしてもCUEの位置がガタついていては微調整をしなければ繋ぎ自体がガタついてしまいます。まあジェフミルズなんかは「いったんドタついた状態を聴かせてから徐々に合っていくという過程が重要なんだ」みたいなことを仰っていた気がしますが、勿論言いたいこと自体はカッコいいしなるほどとも思いますがそれは余裕があるときにやることです。まずは土台をしっかり形成するという意味で、始点をきっちり合わせることは非常に大事なのです。

 

ではCDJでのCUE設定について解説しましょう。まず行うべきは、CDJのモードを(選べるなら、ですが)VINYLではなくCDJにすることです。この二つの違いは何なのかですが、大きく2点あります。一つはジョグを触ったときの挙動、もう一つは曲の再生中にPLAYボタンを押したときの挙動です。
VINYLではジョグの天板を触るとスクラッチ、ふちを触るとピッチの微調整ができますが、CDJモードではどこを触ってもピッチの微調整になります。つまり曲が止まっているときに動かしてもウンともスンともいいません。筆者自身、なんでこのモードが存在するのか最初は意味が解りませんでした。一応ですけどリワインドする人はしたくなったとき絶対にCDJモード選ばないようにしてくださいね。筆者はネオンライトDJでかけたことないけど……
二つ目の違いについてですが、VINYLで曲の再生中にPLAYを押すと素直に止まりますが、CDJモードで曲の再生中にPLAYを押すと、「ドッドッドッドッドッドッ」と非常に細かいループを当てたような音が流れます。これをスタッターと言いますが、これがCDJでCUEを打つ最大のポイントです。先ほど「非常に細かいループを当てたような」と書きましたが実はその通りで、"今かかっている場所の近くを一瞬間切り取ってループさせている"のが正確な表現だと思います。
そして、先ほどはピッチの微調整にしか使えなかったジョグがここで本領を発揮してくれます。曲の再生中にPLAYを押して「ドッドッドッドッドッドッ」と言わせたCDJのジョグをグルンと回すと……なんと、切り取る一瞬間の位置が変わるんですね!使えないと思っていたCDJのジョグはこのようにして使うのです。
通常のハウスやテクノでは頭のバスドラムなど特定の楽器が鳴る位置に合わせたいと思いますが、そういう時は「ドッドッドッドッドッドッ」と鳴っている位置より前にポイント(実際はジョグ)を動かし、「ドッドッドッドッドッドッ」が「トットトットトットッ」ぐらいに軽い音になる地点を狙います。さらに「コッコッコッコッコッコッ」ぐらいまで軽くなれば、もうそこは多分頭にちゃんとアジャスト出来ているのではないかと思います。もちろん曲によってどこに合わせるかは違いますのでいろいろな曲で試してみて頂きたいのは当然ですが、このメソッドに沿ってCUEを打てば、頭出しはマスターできたと言って良いのではないでしょうか。

 

さて、ここまでの説明をしっかり理解してCDJモードでのCUE打ちをマスターすることができれば、ピッチ合わせはそう難しくはありません。ピッチ合わせについてはほかのブログ様にも記事があるかもしれませんが、基本的には今かかっている楽曲に合わせて次の曲を再生してみて(この時ちゃんとCUEが頭に打たれていないと始点の縦が合わないためより面倒になる)、ジョグを時計回り(ちょっとうろ覚えなので違ったらすみません。今かかっている曲に対して早すぎるならば、の意味です)に回転させる必要があればピッチフェーダーを少し上げ、また反時計回り(先の括弧と同じくです)に回転させる必要があればピッチフェーダーを下げる、というのを繰り返し、ピッチを可能な限り追い込む。それだけです。まあ四つ打ちならばあまり大幅に変化する選曲はなされないでしょうが、練習の時はある程度BPMが頭に入っている曲同士でつないでみるとあまり難しくなくていいのではないでしょうか。

 

実際に練習してみるとわかりますが、ピッチ合わせを厳密に追い込み切れないまま次の曲を送り込まねばならないタイミングがおそらく出てくることかと思います。出てこなければよっぽど同じぐらいのBPMでやってるかよっぽどマスターしたかのどちらかです、どっちにせよよかったですね。もしもピッチが微妙にずれたまま次の曲をかけるならば、ジョグで微調整をかけながらつなぐというのが必要になりますがそれも立派な技術。少しずれた程度では慌てない度胸と冷静さもDJには大切です。

 

というわけでさらなる利点が見つけられたところで雑ですが解説を終えたいと思います。ピッチ合わせよりもCUE打ちの方に紙幅を割きすぎかもしれませんが……わからないことがあればツイッター(o_w_t_n)までどうぞ。お疲れさまでした!